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推定計算、ゼロ計算での請求

過払金の推定計算・ゼロ計算での返還請求

推定計算、ゼロ計算

債務整理では貸金業者などの債権者に借金に関する「取引履歴の開示」を請求して、その内容に基づいて「引き直し計算」を行うのが基本です。引き直し計算により過払金が発生しているときのみ過払金の返還請求を行うことになります。

実際には一部の貸金業者は古い取引履歴は廃棄したということで開示しないことがあり、取引履歴が開示されていない場合は取引履歴を推測して再現することになります。取引履歴が無い過去のお金の流れを再現することを「推定計算」と言います。

推定計算を行うケース

業者との取引期間が短い場合は債務残高があります。債務残高がある場合は業者は貸付金回収の確認のために取引履歴を残しているケースが多く、取引履歴は全て開示されて推定計算をすることはほとんどありません。また、取引期間が短い場合は引き直し計算をしても債務が残りますが、この場合も速やかに取引履歴を開示してくれます。

ところが取引期間が長い場合は過払金の額も多いため、貸金業者は消極的になり、廃棄などを理由に古い取引履歴が開示されないことがあります。
取引履歴の全てが開示されない場合は「推定計算」を行い、推定に合理性があるかなどが判断されます。
推定計算は債務整理全てにおいて影響します。

ゼロ計算を行うケース

取引履歴が一部しか開示されない場合は「ゼロ計算」を行うこともあります。ゼロ計算は、開示されている取引履歴の最初を0円として計算をします。例えば、開示された取引履歴の最初に、2015年1月末日の借金残高が50万円あったと記載してあるとします。その50万円をゼロとして計算します。(残高無視計算とも言われます。)
貸付業者が「経緯は分からないけれど2015年1月末の借金が50万円です」と言うことに対し「経緯が分からないけれど借金残高はこの地点で無かったと思います(0円)」として、起点の借金をゼロで計算し支払い過ぎたお金を見積もります。

なぜ借金が無くなっていたはずと主張出来るかと言うと、一般的な考え方では利息制限法所定の制限利率を超える利息を支払う取引をしていた場合、おおよそ5~7年で取引は終了する(5~7年で借金の残高は0円になる)と考えられています。
ということは、開示された取引履歴の最初の日付より5~7年程度(金額によってはもっと短い期間)前から取引があったことが証明できれば、開示された履歴の最初の残高が0円となっている可能性が高いと考えられると主張出来ます。

ゼロ計算は、取引履歴の全てが開示されない場合には行うことが出来ませんが、取引履歴の全てを開示しないという業者はほとんどありません。特定の時期以前の履歴が無いため(無いということにして)、取引の一部、特定の時期以降の履歴のみが開示されるのが一般的です。

ゼロ計算 残高ゼロの立証責任

債務者側の「債務残高の立証責任は貸金業者にあるのだから、貸金業者側が債務残高を証明しないのであれば、最初の残高は0円とされるべき」という主張に対し、貸金業者にも残高をゼロ円で計算する根拠を立証しなくてはいけません。立証できないのであればゼロ計算は認められません。

過去の裁判では立証責任について「貸金業者に立証責任がある」としたものと「消費者に0円と推定した立証責任がある」とした両方の判例がありますが、ほとんどの裁判官は0円と推定した「根拠を消費者7)が立証しなければならない」としています。

裁判における立証について考える

消費者側にある立証責任は「貸金業者の取引履歴開示義務」や「貸金請求権の主張立証責任」などとの整合性、「約定残高を前提とした引き直し計算結果の認定の可否」などを前提とします。そのため、貸金業者から合理的な反論がなされない場合に限り、開示された取引履歴の最初の日付よりも数年前の支払証明書(借金返済履歴)があれば、0円と推定した立証として認められるケースが多くなっています。

あれば有利な書類・証明書等

消費者が開示された取引履歴の最初の残高が0円であると立証する場合、最重要課題は「取引開始日」です。

裁判所に認めてもらうために大切なのは「5~7年」以上の取引があったことの立証です。
ただし、ゼロ計算は「推定」ですので、開示取引履歴の最初の謝金残高が0円となる完全な立証である必要はありません。「推定できる根拠」を示すことが可能である最小限の証明書でも、ゼロ計算が認められるケースがあります。

【取引を証明出来る明細書】
契約書、領収書、ATM振込証明、請求書、貸金や返済が記載されている銀行預金の通帳の履歴
などが一部でも残っている場合は全て手元に残しておいて下さい。

取引開始時期が分かるだけでは、開示された最初の日付の地点で借金残高が0円であったとは限りません。それまでにどのような取引がなされていたのかということを出来るだけ立証することが重要となります。可能な限りどのような取引をしていたか具体的な証明となるもの、毎月どのくらい返済していたのかという証拠を集めておきましょう。
特に契約書と月々の返済額が立証できれば裁判からもゼロ計算(残高無視計算)が認められる可能性は高くなります。

田村綜合法律事務所

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