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残業代を請求できないケースがあります

残業代が請求できないケース

会社から全く残業代を受け取っていない人や、会社から一部の残業代を支払ってもらっていることで満足してしまい、正当な金額の残業代をもらえていない人がいます。残業代を請求しても、会社から「残業代を支払わない」と言われることがあります。

会社から強く言われると、その理由に納得してしまったり、会社が正当な主張をしているかどうかを判断できないこともあります。
残業代を請求できない条件とはどういったことかをある程度知ることで、弁護士にご相談頂く際にも、お話しして頂きやすくなるでしょう。

一定時間労働したものとみなされるケース

営業での顧客周りなど事業場外で労働した場合

取引先に足を運び自社に戻らないことが多い営業担当者などの場合、会社が就業規定などで、「一定時間労働したものとみなす」と規定している場合があります。

例えば、営業で外回りをする従業員が、何日か10時間以上外回りをしたとしても、オーバーした2時間は残業にはならないと定められていることもあります。

裁量労働で働く場合

労働時間の制限や管理されると、一定の成果をあげることができない仕事の場合は、会社が「一定時間労働したものとみなす」として労使協定が結ばれていることがあります。研究開発や情報処理システムの分析などを行う従業員に適用されることが多く、他にも事業運営の企画・立案・調査・分析などの業務従事者などとこのような契約をすることがあります。
数日間13時間研究を続けたとしても、「1日10時間労働したものとみなす」という労使協定が結ばれている場合は、2時間分の残業代しか請求できません。

外回りや、裁量労働について、事業場内労使委員会の決議や本人の同意等を必要としますので、該当する可能性がある場合は就業規則や労働契約書などをご確認下さい。

残業代についての規定を設けている場合

実際に働き始める前には、一般的に雇用契約書を交わします。その際、契約書に「毎月支給する手当に一定時間分の残業代を含む」と記載されていることがあります。労働者が契約書にサインする前に、会社ははっきりとその旨説明する義務があります。

了承してサインをした従業員に一定時間分の残業代が支払われている場合は、基本的にはそれ以上の残業代を会社に請求することができません。

もし、「一定時間分以上の残業」を行ったと思われる場合は、超えた残業代を請求できますので、基本の手当には何時間分の残業代が含まれているか、あらかじめ確認しておく必要があります。

法定休日以外の休日

会社が土・日・祝日を休日と定め、日曜日を法定休日としている場合。土曜日と祝日に働いた分は休日労働にはあたりません。休日労働として35%の割増賃金が支払われるのは、日曜日に働いた時のみです。
ただし、それが時間外労働の条件に当てはまっている場合は、時間外労働の割増賃金(25%)で計算した給与が支払われます。

田村綜合法律事務所

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